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中古車購入ガイド



①購入前に確認すること

(1)購入する目的を明確にする
 中古車を購入するにあたって、その車をどういう用途で使うのかを考えておくことが大事です。
通勤に使う、遊びに使う、冬場に使う、遠出を多くする・・・などなど。
外観や装備だけにとらわれず、自分の使用状況に合った車を選ぶことが大切です。

(2)車庫を確保する
 中古車を購入する際には、車の保管場所(車庫証明)が必要になります。
車庫証明は自宅(住民票上の住所)から2km以内であることと、きちんと車を停めるスペースがあることが必要です。
この場所が確保できないと、警察署から車庫証明を発行してもらえないため、車の登録をすることができません。
ただし、軽自動車の場合や村での登録の場合はこの限りではありません。

(3)購入資金を準備する
 中古車を購入する場合、雑誌や店頭で明記されている車両代のほかに、付帯費用(諸費用、税金)として別途数万円が必要になります。
また、現金で購入する場合は別ですが、ローンを組んで購入する場合、月々どの位の金額が払えるかを慎重に検討する必要があります。
購入する時だけでなく、毎年の自動車税や任意保険代、ガソリン代や車のメンテナンス代もかかりますので、注意しましょう。  
 


②車両を購入する店舗を選ぶ

希望車種と予算が決まったら、購入する販売店を選びます。中古車購入の際は、この販売店選びが非常に重要になります。
新車の場合、種類や性能はカタログ・展示車を見れば十分に推測でき、どこで購入しても同じものが手に入ります。
一方、中古車の場合、一台一台が全く別の品質の車両になりますので、実際に車両や詳しい情報を確認する必要があります。
車両の修復歴や整備履歴といった情報は、販売店が記載・交付する内容に頼らざるをえないため、本当に信頼できる販売店を見極めることが大事です。
以下に販売店選びのポイントをまとめます。

(1)展示場を持っていて、手入れが行き届いている
 展示場に実車があれば、実際に購入予定の車両を見て確認することができます。
台数が多いということはそれだけ在庫の回転が早く、よく売れていることが推測できます。
また、その土地に根を下ろして営業しているので、簡単に撤退はしない信頼できる販売店の目安になります。

(2)整備工場の併設が望ましい
 整備工場があるということは、車の知識が豊富であるという事です。
アフターサービスの面についても色々な意味(コスト・日数・能力等)で有利です。

(3)自宅に近い販売店
 自宅に近ければ情報も入りやすく、点検や修理の際にすぐ持ち込む事が出来て便利です。

(4)各種団体に加盟している
 当会(一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会)の他に、一般社団法人 自動車公正取引協議会(略称・公取協)に加盟している販売店であることも目安になります。
加盟店であれば車両の情報表示や価格表の表示について細かい規定があるため、正確な情報を掴むことができます。
万が一加盟店でも規約違反があった場合、各団体がそれぞれ消費者相談窓口を設けていますので、相談・助言・指導を依頼する事ができます。
 


③展示車両をチェックし、品質や状態を確認する

実際に車両を見る場合、最低限以下の内容をチェックしておくようにします。

(1)内外装
 へこみや汚れ、ガラスの傷など、購入後にクレームを付けることはできませんので、よく確認しましょう。
タイヤの状態についても走行機能に関係しますので、必ず確認してください。
シートの傷・しみ・におい、灰皿の状態などから、以前の使用状況が推測できます。

(2)機能・装備
 スペアタイヤや工具、オーディオ、マットなどの装備を確認しましょう。
各部がきちんと作動するかも確かめるといいでしょう。

(3)試乗
 可能であれば試乗し、気になるところがあれば慎重に考えてください。
試乗中の事故に関しては運転者の責任になりますので、安全運転を心がけてください。


また、展示車両にはプライスボード(価格表)が付いています。
このボードには価格以外に車両情報も詰まっていますので、以下の補足を参考に必ずチェックしてください。

(1)初年度登録(検査)年月
 日本で最初に登録された年月です。国産車の場合、製造年と登録年はほぼ一致します。

(2)走行距離数
 走行距離計に示された距離数です。距離数に疑問や改ざんがある場合、その旨が表記されます。

(3)点検記録簿の有無
 車両の初年度からの整備記録があれば理想です。定期点検を受けている車両は品質の信頼度も高いです。

(4)修復歴の有無
 修復歴とは、過去に事故や災害などで車両の骨格に損傷があり、修正または交換したものをいいます。

(5)保証の有無
 販売業者の保証が販売価格に含まれ、保証書があるものを指します。口約束だけでなく必ず保証書を受け取りましょう。

(6)定期点検整備実施の有無
 定期点検が実施されているか、納車までに実施するのかを指します。点検整備記録簿を確認しましょう。
 


④見積書を作成してもらう

車両の品質や状態をしっかりチェックして気に入った車両があったら、販売店に見積書を作成してもらいます。
①でも記載しましたが、車両価格以外にも様々な費用がかかります。
どのような費用がかかるか、以下に記載します。

(1)自動車税
 自動車税は通常4月1日時点の所有者に対し課税されます。
中古車購入の際は自分の名義になった月から3月まで月割相当額を支払うのが一般的です。

(2)自動車取得税
 初年度登録年月が新しい車の場合、新車価格から減価償却の比率で算出した課税額が必要となる場合があります。

(3)自動車重量税
 自動車の重量に応じて課税されるもので、車検を受ける際にかかります。車検期間が残っている場合は課税されません。

(4)法定費用
 陸運支局や警察に払う手数料等で、必ず払わなければならないものです。

(5)自賠責保険料
 自賠責保険料は強制保険と言うように、自動車を所有する以上必ず加入しなければなりません。
車検が残っている車両の購入の場合、残りの期間分を月割にした「相当額」を支払う必要があります。

(6)登録手続代行費用
 購入する自動車のナンバー取得・車検証の名義変更を販売店に委託する場合にかかる費用です。

(7)車庫証明取得手続代行費用
 車庫証明の取得を販売店に委託する場合にかかる費用です。

(8)納車費用
 購入した車両を自宅など指定する場所に納車してもらう際にかかる費用です。販売店で車両を受け取ればかかりません。

(9)下取車諸手続代行費用
 下取車の所有権留保の解除手続きをする場合の代行費用です。

見積書を作成してもらったら、以上の内容確認をする意味でも、できれば一度持ち帰ってよく考えて購入検討をするのが理想です。
ただし、検討しているうちに他のお客様に先に購入されてしまう可能性もあるので、結論は早めに出しましょう。  


⑤契約する

契約は口約束で成立させることもできますが、中古車の売買契約は複雑ですので、しっかりと取り決めをして売買契約書を作成してもらいます。
車の売買契約書は通常、注文書と呼ばれています。
注文書上に明記してある内容で、特に確認すべき箇所を以下に明記します。

(1)車名・グレード等
 中古車は他に同じ物がない特定物ですので、購入車両の車名・グレード・色・走行距離などはしっかり確認しておかないと、後々トラブルになりかねません。

(2)支払い条件
 支払い条件によって契約書の内容が変わってきますので、現金・立替払い・ローン提携のいずれかを明記してもらいます。

(3)保証の有無、定期点検整備実施の有無
 価格表と同じ内容を明記してもらいましょう。

(4)クレジット販売における手続き・修理の開始時期について
 ローンで支払う場合、信販会社からの承諾を得られる前に登録や修理・架装などを依頼するかどうかを取り決めておいたほうがいいでしょう。

(5)納車予定日
 よく話し合って、受渡しに双方が立ち会える日を選びます。納車遅れや購入者が立ち会わなかったことで後にトラブルになることがあります。

(6)特約事項
 販売店とお客さまとの間で、売買契約について特別にこう約束しましょう、という事が明記されているものです。
契約の成立の時期や、申込金、手付金などの性格が定義されていますのでよく読んでください。


※契約の成立について
 中古車の販売の際に多く発生するトラブルは解約についてです。
契約が成立するのは以下のタイミングのいずれかになります。
 ・車両の登録がなされた日
 ・購入者の依頼で、車両の修理・改造・架装をする場合、販売店がその作業に着手した日
 ・車両の引き渡しがなされた日
 ・ローン支払いの場合、ローン契約書に定められた日

しかしながら、以上のような特約明記が無ければ注文書作成時が契約成立となります。
注文書にサインをしたら原則的に解約できないと考えて慎重に行動してください。
 


⑥必要な書類を準備、作成する

中古車の契約を交わしたら、登録に必要な書類の準備と作成を速やかに行いましょう。

(1)委任状
 登録申請を代理人に委託する書類で、実印での捺印が必要です。
 下取り車がある場合は2通必要になります。

(2)自動車保管場所証明書
 購入した自動車の保管場所を証明する書類で、警察で受付・発行してもらいます。(通称:車庫証明)
 申請書と、車庫証明を取る土地の持ち主の使用承諾証明書(自分の土地の場合は自認書)の2つの書類が必要になります。

(3)印鑑証明書
 車両の登録手続きの際に必要になります。下取り車がある場合は2通必要になります。
 購入車両または下取り車が軽自動車の場合、住民票で代用することも可能です。

(4)譲渡証明書
 下取り車がある場合に必要な書類で、実印での捺印が必要です。


※任意保険
車両が納車になるまでに、任意保険の内容を確認しておくことも大切です。

現在お乗りの車で任意保険に加入している場合、購入した車両の納車日に合わせて「車両入替」の手続きが必要になります。
その際、保障内容が適切かを確認する必要がありますので、任意保険を加入している保険代理店に確認しましょう。

初めて車両を購入した場合、任意保険への加入を強くおすすめします。
車種、年式、保障内容によって保険料は変わりますので、車両を購入した販売店に相談してみるといいでしょう。
 


⑦納車受取りをする

車両の受け取りは自宅でも販売店の店頭でも構いませんが、必ず自分で受け取りましょう。
契約時の車両の状態と違いはないか、新たな傷はないか、頼んでいた装備がきちんと付いているか、修理はちゃんとなされているかよく確認しましょう。
もし車両に気になるところがあった場合、納車前にきちんと改善してもらうようにしてください。

また、以下の添付書類がちゃんと付いているか確認しましょう。

(1)車検証
 間違いなく自分が契約した車両か、自分の名義になっているか確認してください。

(2)自賠責保険証書
 車検期間分必ず必要なものなので、名義を確認して必ず受け取ってください。

(3)自動車納税証明書
 次の車検を受ける際に必要です。

(4)保証書
 保証付きで購入した場合、内容を確認して必ず受け取ってください。

(5)定期点検整備記録簿
 定期点検整備ありで購入した場合、受け取ってください。

(6)特定の車両状態を記した書面
 ・走行距離計を自社で取り替えた車両
 ・定期点検整備なしで、要整備箇所のある車両
 ・修復歴のある車両
の場合に受け取ってください。